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扁桃体と不安の深い関係|現代人の脳が陥る落とし穴と健やかに生きるためのコツ

  • 執筆者の写真: 敦博 森内
    敦博 森内
  • 7月8日
  • 読了時間: 4分

「最近、なんだかいつも不安…」「寝つきが悪い」「仕事中も心が休まらない」こうした心の不調を感じる人が、今とても増えています。

その原因のひとつとして注目されているのが、脳の“扁桃体(へんとうたい)”という部位の働きです。

扁桃体は、人間の“感情”をつかさどる中枢。特に、「恐怖」や「不安」といったネガティブな感情に大きく関わっています。現代社会では、この扁桃体が過剰に反応しやすくなっており、多くの人が知らず知らずのうちに「不安脳」になっているのです。


■ 扁桃体とは?感情の警報装置

扁桃体は、大脳辺縁系という感情をコントロールする領域に位置し、**危険やストレスを感じたときに警報を鳴らす「本能的なセンサー」**のような役割を持っています。

たとえば…

  • 突然大きな音がしたときにびくっとする

  • 高いところに立って怖いと感じる

  • 他人の怒った表情に緊張する

こういった瞬間には、扁桃体が瞬時に働いて身体を守ろうとしています。しかし問題は、この扁桃体が現代では“常にスイッチオン”になりやすい環境にあるということです。


■ 現代人が「扁桃体過敏」に陥る理由

  1. 情報過多とネガティブニュース SNSやニュースで、常に事件・災害・炎上などのネガティブな情報に触れることで、脳は「不安」を学習しやすくなります。 → 扁桃体は「また危険があるかもしれない」と反応しやすくなる。

  2. 常時接続のストレス社会 仕事のメール・メッセージが常に届く、マルチタスクを求められる、評価され続ける…こうした状況は、慢性的な緊張=扁桃体の過活動を引き起こします。

  3. 人間関係のストレスや孤独 扁桃体は、他人の表情や態度にも敏感に反応します。SNSでの比較・無言の圧・孤独感なども、心の不安を強化する要因に。


■ 扁桃体が過敏になると起こる心と体への影響

扁桃体の働きは自律神経にも影響を与えるため、過敏な状態が続くと以下のような症状が現れやすくなります。

  • 常に緊張感が抜けない

  • 眠りが浅くなる・寝つきが悪い

  • 肩こり・頭痛・胃痛など身体の不調

  • 人付き合いが億劫になる

  • 小さなことに傷ついたり、怒りやすくなる

つまり、「心が不安定=体も不調」になりやすく、健やかな生活を阻害してしまうのです。


■ 健やかに生きるためのカギは「扁桃体を安心させる」こと

扁桃体は「危険がない」と感じたときに落ち着きを取り戻します。以下のような習慣は、扁桃体の興奮を抑え、不安を鎮めるのにとても効果的です。

✅ 1. 深い呼吸で副交感神経を優位に

腹式呼吸や4秒吸って8秒吐く「呼吸法」は、自律神経を整え、扁桃体の過活動を抑える効果があります。朝・寝る前に3〜5分、静かな場所で深呼吸を習慣にしてみましょう。

✅ 2. 規則正しい生活と睡眠の確保

睡眠不足は扁桃体の感情コントロールを狂わせ、不安・イライラを助長します。就寝・起床のリズムを整え、夜のスマホは控えることも重要です。

✅ 3. 「安全・安心」を感じる時間を作る

好きな音楽、自然の景色、温かい飲み物、マッサージ、香り、好きな人との会話…。「私は今、安心している」と実感できる時間を意識的に作ると、扁桃体は「危険ではない」と学習していきます。

✅ 4. 運動で脳をリセット

有酸素運動(ウォーキング・サイクリングなど)は、セロトニンやドーパミンといった“幸せホルモン”の分泌を促進し、扁桃体の興奮を鎮めると報告されています。「週に2〜3回、30分の軽い運動」で十分です。

✅ 5. 「完璧主義」を手放す

不安が強い人ほど「こうすべき」「もっと頑張らなきゃ」と、自分を追い込みがちです。ときには「今日は60点でもいい」と考え、自分に許しを与える習慣を持つことも、扁桃体に安心を与える行動になります。


■ まとめ|脳に優しい毎日が、心の安定につながる

扁桃体は、私たちを守る大切なセンサー。しかし、現代の情報社会やストレス環境により、常に興奮し続けてしまうと、心も体も休まらなくなってしまいます。

だからこそ、「安心できる習慣」や「脳を休める時間」を意識的に取り入れることが、現代人には必要不可欠です。

不安を抱えやすい今の時代を、軽やかに生き抜くために。まずは今日、深呼吸をひとつ。あなたの扁桃体に、「今は大丈夫だよ」と教えてあげましょう。

 
 
 

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